9月3日の軍事パレードではロシアのプーチン大統領、韓国の朴槿恵大統領が習近平主席と席を並べた。(ロイター/アフロ)

北京で9月3日に行われた軍事パレードで披露された武器が示す意味は明白であった。中国は、長距離爆撃機や、短射程から中射程までの弾道ミサイルなどをもって、中国に進攻しようとする米空母や、西太平洋における米軍の軍事活動を無力化できると言いたいのだ。さらに、2種類の大陸間弾道ミサイルが、米国に対する核抑止力を示した。

なぜ、米国に対抗できる能力を誇示しなければならなかったのか? それは主として、中国の国内事情による。中国社会では、習近平指導部が進める「反腐敗」や改革によって、痛みを被る者が増えている。さらに株価が暴落し、大衆が中国経済の失速を懸念し始めた。経済格差も一向に解消しない。大衆が「自分たちも豊かになれる」と信じられなくなったら、共産党の統治は危うい。

軍事パレードの目的は国内向けのアピール 

軍事パレードは、中国国内に向けたものだったのだ。経済を正常に発展させるためには、地道な経済政策が不可欠である。しかし、そうした政策には、国民すべてに中国の、そして自分たちの豊かな未来を信じさせるような効果は期待できない。

中国指導部は、軍事パレードにその効果を求めたのである。「これからは中国の番だ」と印象づけることができるからだ。「中国人民抗日戦争勝利および世界反ファシスト戦争勝利70周年記念観閲式」という名称に、この意味が込められている。共産党一党統治の正統性を訴えるうえで「抗日戦争勝利」は外せないが、抗日戦争勝利を中国人民が祝うのに併せて、反ファシスト戦争勝利を世界が祝う記念イベントを中国が主催することに意味がある。