伝わる資料を作るにはどうすればいいのか。ある程度の実務経験があるビジネスパーソンでも、顧客への説明資料や社内向けの企画書作りに悩む人は後を絶たない。先輩の資料をコピー&ペーストしたり、エクセルのデータをそのまま張り付けたりしている例もある。

しみず・くみこ●大手アパレル企業を経て、1998年にプライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)入社。2013年独立。プロジェクトマネジメント研修などの講師を務める。

近年では日本企業でも外資系企業と同じように、パワーポイントを使ったシンプルで論理的な資料が一般的になってきた。とりわけ、さまざまなバックグラウンドを持つ社員が一緒に仕事をするときや、社外の顧客などに説明するときには、誰が見てもわかりやすい資料が要求される。

パワポを開く前に伝える情報を整理

パワーポイントを開いて資料作成に取りかかる前に、資料を見るターゲットの情報を整理しておこう。ターゲットの期待に沿う資料を作るためにも、図表1のようなプロファイリングシートが役に立つ。

[図表1]
拡大する

これはリーダーシップ講演を行う場合の例だ。受講者は誰で、何に関心があるのか、この講演に何を期待しているのかを書き出している。

また、受講者がテーマ(リーダーシップ)について持っている情報の多寡を整理している。「Why」ではリーダーシップの必要性について、「What」ではリーダーシップの内容について、「How」では具体的な施策について、受講者がどの程度理解しているかを整理しておく。そもそもリーダーシップの必要性を理解していない人に、いくら細かい施策を説明しようと響かないのは明白だからだ。

そのうえで受講者に伝えたいメッセージを決め、資料のストーリーを構成していこう。スライドの何枚目に何を置くか、どこに山場を持ってくるかを紙に書き出してほしい。この段階では、まだパワーポイントは開かない。文字やグラフの体裁に目が行ってしまうからだ。

ターゲットの情報と伝えたいメッセージを整理したら、いよいよ実際の資料作成における注意点を見ていこう。図表2の事例は、いずれも実際にあった資料だ。一見してメッセージが伝わりにくい印象だが、それぞれ何が問題なのだろうか。

■これだけで見やすさが劇的に変わる