企業間競争が激化する中、時代は「持続的競争優位」から「一時的競争優位」へ。高成長の秘訣は「安定したリーダーシップと、一貫した企業文化」──。「世界の経営思想家トップ50」で6位に選ばれたリタ・マグレイス教授が、最新の競争戦略を語る。

Rita Gunther McGrath●ITディレクター、2回の起業などを経て1993年から現職。専門は経営戦略とイノベーション。2011年、13年に「世界の経営思想家トップ50」に選出。(copyright Jeff Weiner Photography)

──著書『競争優位の終焉』では、デジタル化とグローバル化に伴う競争激化により、企業はもはや優位を持続できないと書かれています。

競争戦略論は1960年代に始まり、80年代に定着した。もともとは工業経済学から派生しており、「魅力的な産業で魅力的なポジショニングを行えば、高い参入障壁の下でポジションを守れる」というものだ。

だが、グローバル化や参入障壁の低下によって、企業は競争優位を保てなくなっている。「持続的競争優位」ではなく、「一時的競争優位」を重ねて成長につなげる戦略を取らざるをえなくなっているのだ。変化が遅かった石油・ガス業界でさえも、シェール革命によって同様の事態に追い込まれている。

『競争優位の終焉』には、読者から3パターンの反響があった。まず、「大変だ、世界が変わった」と、非常に動揺した様子の人。次に、現実から目をそらそうとする人。三つ目が、新たな現実を活力ととらえ、理解しようとする人だ。

成熟した市場でも成長する企業がある