ソフィーナの新ラインとして美容液とドリンクを投入。百貨店での購入単価アップも狙っている(撮影:尾形文繁)

花王が赤字にあえぐ化粧品事業のテコ入れに乗り出した。11月に銀座で初の旗艦店をオープンし、看板ブランド「ソフィーナ」の新ラインを発売。2016年1月からは全国の百貨店で展開する。澤田道隆社長が「20年、30年先まで支える改革になる」と言う取り組みの第1弾だ。

全体の業績は好調で、幼児用紙おむつや生理用品が牽引し、今中間期の営業利益は過去最高の600億円を達成。一方、化粧品事業は、154億円の営業赤字だった。過去に買収したカネボウ化粧品ののれん代などを除いても27億円の赤字。主因は13年の「白斑問題」で、客離れが進むカネボウの不振だが、ソフィーナの赤字分も含まれる。

せっけん・洗剤の花王がソフィーナを擁して化粧品事業に参入したのは30年以上前。イメージ先行型で、華やかな広告宣伝を行う既存メーカーとは一線を画し、研究立脚路線で存在感を発揮した。06年にはメークアップ商品に強いカネボウを買収し、研究の花王との“二刀流”でさらなる成長を狙った。が、その後の売り上げは、07年の水準を一度も超えられていない。

不振の背景にあるのが競争環境の変化だ。ロート製薬が機能性化粧品で台頭し、富士フイルムが07年に参入するなど、花王の研究立脚路線は珍しくなくなった。業界内では、多様なターゲットに向けてラインを広げたことがブランドイメージをぼやけさせた、との見方もある。