家のあり方が変わり、代々引き継ぐことが前提となる従来の墓に限界も見えてきた。寺の間では、新しい墓のスタイルを取り入れる動きもある。

東京・JR八王子駅周辺の繁華街を抜け、車で約20分。最寄りのバス停から徒歩で10分、木立が深まったところにその寺はある。

日蓮宗延寿院。本堂の裏手にある檀家墓地の奥に進むと、森林との隣接地がマウント状になり、シンボルツリーとなる数本の樹木が植えられていた。このツリーの周りが遺骨が埋葬される場所だ。

しだれ桜、カエデ、ヒメシャラなどが植えられた東京里山墓苑。骨つぼ「木魂(こだま)」は地元多摩の杉間伐材で作られる(左)。しだれ桜、カエデ、ヒメシャラなどが植えられた東京里山墓苑(右)(撮影:今井康一)

延寿院が「東京里山墓苑」と呼ぶ樹木葬墓地を始めたのは2011年。約500区画のうちすでに3分の1が契約済みだ。申込者の7割が60代以上の夫婦。娘一人、または継ぐ人がいないなどの事情を抱え、自然葬志向であることが特徴だという。

金額は1区画に一人が埋葬される場合、使用料・管理料(一括)・木つぼ・埋葬手数料合わせて67.15万円、夫婦二人の場合は89.3万円。共に年会費は5000円。宗教・宗派は問わず、法要などの依頼も任意である。