前向きな人柄と周囲から評される。製品の心臓模型を前に、面白いエピソードを交じえながらビジネスを語る(撮影:尾形文繁、ヒラオカスタジオ)

現在約1300社の顧客を抱え、ありとあらゆる工業製品を試作するベンチャー企業がある。作るものは、脈波センサーや血糖測定装置などの医療関係のものからリモコン類までさまざまだ。宇宙飛行士の若田光一と会話したロボット「キロボ」や、パナソニックの乾電池を用いたロボット「エボルタ」の試作品も作った。試作対応はスピードが不可欠。対応の可否は24時間以内に返答する。

この企業は京都市に本社を構える「クロスエフェクト」だ。資本金1000万円、社員26人、売上高約3億円。本社の外見も「ガレージ起業」風で、お世辞にも立派とはいえない。

そんな吹けば飛ぶような会社が今、社会から注目を集め始めている。持ち前の試作技術を使い、赤ちゃんの心臓を実際の肉質に近いポリウレタン樹脂を用いて実物大で再現し、それを100人に1人はあるといわれる小児先天性心疾患の治療に役立てようとするプロジェクトに、国立循環器病研究センターと連携して取り組んでいるからだ。