7月24日、都庁前で開かれた大会エンブレムの発表式典。森会長など関係者が出席した(EPA=時事)

安倍晋三首相の「決断」で、7月17日、新国立競技場の建設計画がついに白紙撤回された。

2520億円とされた建設費はさらに膨らみ、年間35億円と見積もられた維持費も倍の70億円は必要、30年後の大規模修繕には1000億円以上かかる、などと断言する建築家もいた競技場の建設にストップがかかったのは、喜ぶべきことだろう。

が、このような建設費や維持費の膨張、工事の困難さは1年以上前から指摘されていたことで、首相の決断も遅きに失した感は否めない。

しかも安倍首相は「約1カ月前から見直しの検討に入った」と会見で口にしたが、決断の約3週間前の6月23日、競技場建設の事業主体である日本スポーツ振興センター(JSC)は、デザイン設計コンペで優勝した建築家ザハ・ハディド氏の事務所との間で、1億7000万円の支払いが生じる「新国立競技場の施工段階におけるデザイン監修業務」に関する契約を交わしているのだ。

見直しの検討に入った後の新たな契約には首をかしげるほかないが、ザハ氏の事務所にはこれ以外にも、「フレームワーク設計に関するデザイン監修業務」として2億円、「基本設計に関するデザイン監修業務」として1億7000万円、「実施設計に関するデザイン監修業務」として9億3000万円、合計13億円が13年10月から今年4月の間に支払われているのだ。建築業界からも「この金額は異常。返金を求めていいほどだ」との声が上がる。