遺産相続をスムーズに行うために遺言書が大いに役立つことは、今や周知の事実だといっていいだろう。戦後、家督相続が廃止されて子どもたちの相続権が平等になったことから、遺産相続のトラブルが増えるとともに、遺言書を作る人も増加してきた。

2014年に公証役場で作られた遺言書(公正証書遺言)は10万件を突破し、1989年(4万0941件)の2.5倍に増えた。ただ、14年の死亡者数が約127万人であることを考えると、遺言書を作る人はまだ少数派といえそうだ。

[図表1]
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そこで政府は17年にも、遺言書による遺産相続を条件として相続税を軽減する「遺言控除」の新設を検討している。実現すれば、遺言書を作る人が急増するとともにいわゆる「争族」が減り、若い世代への資産移転が進むと期待される。

最近、遺言書を取り巻く状況は大きく変化している。13年12月の民法改正により、非嫡出子(婚外子)の相続分と嫡出子の相続分が同一になった(それ以前は、非嫡出子の相続分は嫡出子の2分の1)。このような子どもたちの相続分に差をつけたいと考えるのなら、遺言書の作成が不可欠になったということだ。