「世界農業遺産」というのがある。「世界遺産」(遺跡、自然、歴史的建造物などのいわゆるモノ・不動産)はユネスコ(国際連合教育科学文化機関)が認定する。これに対し農業遺産は、(1)地域の自然に寄り添った合理的かつ歴史的な農業、(2)儀式や芸能など農業に付随した特徴的な文化、(3)農業と豊かな生態系の両立、(4)それらが織り成す美しい景観、などを条件とする。認定はFAO(国連食糧農業機関)が行う。

大分県国東(くにさき)半島の宇佐地域がこれらの要件を満たすとして遺産に認定された。記念行事の一つとして「歴史を生かすまちづくり」というテーマで宇佐市から講演依頼を受け、出掛けた。

私の“まちづくり”に対する要件は基調として、(1)平和に暮らせること、(2)豊かに(経済面だけでなく安心・安全に)暮らせること、(3)平等(差別がない)に暮らせること、(4)正しく(社会正義が確立している)暮らせること、(5)自己向上(生涯学習)できること、(6)他地域と活発に交流できること、を共通項としている。それに加えて地域が創造した“その地域らしさを示すCI(コミュニティアイデンティティ)”を重視する。そのCI創造に歴史を活用しようというのである。