ソウルで開かれた日韓国交正常化50周年記念行事に出席した韓国の朴槿恵大統領(右)と額賀福志郎日韓議員連盟会長(6月22日)(時事)

安倍晋三首相の「外交成果」へのこだわりには、執念といっていいほどすさまじいものがある。

その思いを理解するのに恰好なエピソードがある。もちろん、これまで表面化していないことだ。

第3次安倍内閣の分岐点となったのは、4月28日のオバマ米大統領との日米首脳会談と、翌日の米上下院合同会議での安倍演説であった。

ベイナー下院議長を感涙させたことは報告したが、看過すべきではないのは議会演説「希望の同盟へ」そのものである。日本語、英語双方を比較対照してみれば、それがわかる。

まず日本語文から。「第2次世界大戦メモリアル」と題したパラグラフに次のようなくだりがある。「歴史とは実に取り返しのつかない、苛烈なものです。私は深い悔悟を胸に、しばしその場(注:アーリントン国立墓地)に立って、黙祷を捧げました。」

続く後段の「アメリカと戦後日本」のパラグラフには、こう記されている。「戦後の日本は、先の大戦に対する痛切な反省を胸に、歩みを刻みました。自らの行いが、アジア諸国民に苦しみを与えた事実から目をそむけてはならない。」