6月22日のユーロサミッ トでは、いったん交渉決裂を回避したが...(Copyright European Union)

6月30日期限とされていたギリシャによるIMF(国際通貨基金)への返済は結局、反故にされ、以降の融資が凍結された。第二次金融支援の枠組みも同日をもって失効し、ギリシャ経済は文字どおり、宙ぶらりんの状態にある。本稿執筆時点では7月5日の国民投票の結果が出ておらず、確たることは述べがたいが、事態は着実に市場の想定した最悪シナリオ、すなわち、ギリシャの「ユーロ離脱」へと振れている。

が、多くの市場参加者にとって解せないのは、こうした緊迫した状況下で、5~6月のユーロ相場が堅調だったことではないか。たとえばユーロの名目実効相場はギリシャをめぐる混乱とは裏腹に4月半ばに底打ちしている(図表1)。

[図表1]
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筆者は従前から、世界最大の経常黒字や高めの実質金利を理由として、「ファンダメンタルズに従えばユーロは買われるべき通貨」という基本認識を示してきた。

それでも過去1年間、ユーロ相場が大幅下落してきたのは、ECB(欧州中央銀行)による矢継ぎ早の金融緩和の結果であり、その狙いは通貨の低め誘導にあったといってよい。そこに今春以降はギリシャ情勢の混乱という材料が加わり、ユーロ相場は歴史的な水準まで下落した。