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凋落と奇跡のすべてを知る男 長期政権築いたアサヒの「名参謀」

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泉谷直木 アサヒグループホールディングス社長兼CEOシェア1ケタからトップへ駆け上がったアサヒビールの奇跡。当時の名参謀が経営トップとして長期政権を築いている。=敬称略=

(本誌:田嶌ななみ、堀川美行)

いずみや・なおき●1948年京都府生まれ。72年京都産業大学卒業、朝日麦酒(現アサヒビール)入社。98年経営戦略部長、2010年アサヒビール社長。11年から現職。(撮影:梅谷秀司)

かつてのビール王者キリンホールディングスは経営陣刷新で再起を図ろうとしている。名門サントリーホールディングスは創業家による純血主義を捨て、外部のプロ経営者を招聘した。酒類業界のライバルたちが作り出す喧噪に一向に動じないのが現王者のアサヒグループホールディングスだった。

経営トップは社長兼CEOの泉谷直木。持ち株会社への移行前も加えると、トップ在任期間はもう5年を超える。1992年から経営の指揮を執った瀬戸雄三以来の長期政権となる。業績は最高益更新を続け、2014年にはキリンを抜き時価総額で飲料業界首位に立つ。アサヒの抜群の安定感は、間違いなく、トップである泉谷の安定感でもある。

泉谷はすでにアサヒの歴史に強く名を刻む経営者になったといっていいが、樋口廣太郎や瀬戸など歴代の名物経営者に比べると、その手腕や素顔はあまり知られていない。実は業界ではそれらアサヒの名物経営者の参謀役や黒子として見られてきたのが泉谷だった。

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