家庭など低圧分野への新規参入が解禁され、電力小売り全面自由化が実現する2016年4月まで1年を切り、攻守のカギとなる提携の動きが慌ただしい。

先行しているのは、福島第一原子力発電所事故の巨額賠償責任で実質破綻し、公的管理下にある東京電力だ。その動きを整理したのが図表1。東電株は急騰し、株式市場では評価されているようだ。

[図表1]
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燃料調達や国内火力の新設・更新で、中部電力と合弁会社を設立。(撮影:大澤誠)

高圧では7%が解約

提携加速の裏には、東電自身の危機感も当然ある。すでに自由化された高圧分野で、東電は15年3月までの累計ですでに約7%の需要(電力量)を失った(図表2)。エネットなどの新電力に奪われたものだ。新電力の全国シェアは5.7%程度で、東電管内は特に乗り換え率が高い。

[図表2]
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この背景には、福島事故後のイメージダウンや料金値上げに加え、電力需要の6割が集中する首都圏を狙った新電力の攻勢がある。大手電力より数%安い料金設定や、ITを駆使した「見える化」による節電効果などを売りに、シェアを伸ばしている。