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グーグルを悩ます「忘れられる権利」 地域ごとの削除対応ではやがて限界に

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スペインのマリオ・ゴンザレス氏(上写真)といえば、「グーグルを黙らせた男」として欧州ではちょっとした有名人だ。彼が起こした裁判をきっかけに、世界中で「忘れられる権利」に対する認識が飛躍的に高まった。

「忘れられる権利」の生みの親 

ゴンザレス氏。負債の完済とともに離婚歴も拡散した(ロイター/アフロ)

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忘れられる権利とは、個人の過去や、無関係となった内容に関するネット上の記載を削除するよう請求できる権利。昨年5月13日、(日本の最高裁判所に当たる)欧州司法裁判所はグーグルに対して、検索結果画面からゴンザレス氏が求めたリンク先の表示を削除するよう命じる判決を下した。EU(欧州連合)域内では誰が検索しても、そのリンク先が表示されることはなくなった。彼が削除を求めたのは、1998年に社会保険料徴収のために自宅が差し押さえられ、競売にかけられたという過去の新聞記事。ゴンザレス氏は新聞社、グーグル双方に責任があるとしてスペインのデータ保護局に救済を申し出た。保護局は新聞社への申し立ては却下したが、グーグルに削除を要請。最終的には欧州司法裁までもつれ込むこととなった。

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