「大阪、特に湾岸部の供給過剰は明らかだ。賃料のダンピングが始まるのではないか」──。

物流関係者の間で、こんな懸念が広がっている。今年後半から2018年にかけて、巨大物流施設の建設ラッシュが始まるからだ。その供給量はすさまじい。パナソニックのプラズマテレビ工場だった「尼崎流通センター」(約27万平方メートル)をはじめ、10万平方メートルを超える施設が続々と立ち上がる予定だ(参照→「続々建設! 巨大施設の全貌」図表1)。

「関西は首都圏に比べて人口が少なく経済規模も小さい。あれだけ規模が一気に増えると、成長市場が崩壊する可能性もある」。開発会社の首脳は不安をあらわにする。

実は関西圏では12年後半から約2年間、大型物流施設の供給がなかった。その間、経済の好転もあって物流施設の需要が膨らみ、昨14年に入って一気に顕在化した。

その象徴が14年3月に竣工した「グッドマン堺」(総賃貸面積約13万平方メートル)だ。複数企業が入居するマルチテナント型で、普通なら竣工から1年ほどかけて稼働率を100%に近づけていくのが一般的だ。ところがグッドマン堺はなんと竣工5カ月前にテナントがすべて決まってしまった。いわば“瞬間蒸発”だ。その成功を見て、ほかの開発会社も雪崩を打つように関西圏での開発に乗り出した。