競争が厳しい運輸業界ではコスト削減のためにサービス残業がなくならない

佐川急便の首都圏の営業所でセールスドライバーとして働く神田省一(仮名、40代)の毎月の給与明細には、50~80時間の残業時間が記載されている。しかし実際には明細に記載がない40~70時間のサービス残業がある。

神田の1日は、毎朝7時前の出社から始まる。貨物を仕分けして、トラックに積み込んでいく。貨物数は50~100個。およそ1時間で仕分けと積み込み作業を終えて、営業所を出発するのは午前8時ごろだ。

佐川急便のセールスドライバーは1日に、同じ配送ルートを3回回る。午前中は、配達が中心だ。正午からは1時間の休憩を取り、いったん営業所に戻って午後の配達分を積み込んで再び担当エリアを回る。

午後は配達をしながら集荷もして、4~6時ごろに再度営業所に戻る。集荷した貨物を降ろした後、夜間帯指定の配達に出掛ける。

1日の全集配業務を終えて営業所に戻り、書類整理や入金処理などの残務をこなすと、時計の針は午後9時を回っている。