経済同友会の「新しい働き方委員会」は、日本の労働・雇用慣行を見直すための議論を進めてきた。提言をまとめた橘・フクシマ・咲江氏に、日本の雇用や働き方について聞いた。

たちばな・ふくしま・さきえ●1949年生まれ。今年4月まで経済同友会副代表幹事で、「新しい働き方委員会」の委員長を務めた。三菱商事やブリヂストンなどの社外取締役を務める。(撮影:梅谷秀司)

──経済同友会では今年、日本の雇用慣行や法制度について提言をされました。その背景は?

グローバル化とICT(情報通信技術)の発達で、仕事そのものが変化し、働き方や雇用形態も変える必要が出てきている。その対応で日本は遅れている。

産業革命で労働者階級が出現したように、ICTの発展は世界中を瞬時につなぎ、業務内容を大きく変え、場所や時間に限定されない(複数の)働き方の選択肢が必要となっている。それに対応するために労働法制の改正も求められている。

そうした問題意識から経済同友会は「世界に通ずる働き方に関する企業経営者の行動宣言」を公表した。宣言では、労働時間の短縮やリーダーの育成、働く時間や場所の柔軟性を高めることなどを提言している。多様な働き方のオプションを準備することで、女性をはじめ高齢者や、家族に要介護者を持つ人でも、各時点での必要に応じたワーク・ライフ・マネジメントが可能になる。