1990年代に日本企業に持ち込まれた成果主義は、10年もしないうちにその限界を露呈した。代わりに注目を集めたのが役割主義・役割給だ。日本製造業の代表ともいえる電機各社もそうだ。

三菱電機は2004年、従来の「資格・職階(職能)制度」から、役割に対する成果に応じて処遇する「役割・職務価値制度」に転換した。

新たな制度の導入に当たっては成果主義を取り入れつつも、成果一辺倒になることを避け、役割・職務価値の観点を重視した。30歳までは定期昇給を残したが、それ以上の年齢では廃止した。

当時、人事部員として制度設計に携わった大隈信幸・常務執行役取締役(人事部長)は、「人事評価をデジタルな数字だけで見ることへの違和感があった。仕事は個人でなくチームで成し遂げるものだが、その風土が毀損されるのではないかと考えた」と振り返る。

04年の制度改正において、賃金は、等級別の役割給に一本化、役割とその成果によって決まるようにした。31歳以上の賃金カーブは、年齢・勤続年数に関係なく、役割・成果による格差を従来より広げた。