孫社長は19歳のとき「50代で事業を完成し、60代で継承」と決めた。本当に引退できるのか。(撮影:尾形文繁)

「事実上の後継者指名ということか」。記者の問いに対し、孫正義社長は「答えはイエス」と明言した。

5月11日に行われた2015年3月期の決算会見で、ソフトバンクは6月に、ニケシュ・アローラ副会長が代表取締役副社長に就任する人事を発表。同社では長年、カリスマとしてグループを率いる孫社長の跡継ぎ選びが、最大の課題になっていた。常々60代での引退を口にしてきた孫社長は現在57歳。「まだ引退するつもりはないし、第一線で経営を継続していく」としつつも、後継候補を明らかにしたのは初めてだ。

「インターネットのテクノロジー、ビジネスモデル、人脈について、私をはるかに上回る才覚を持っている」と、孫社長が評価するアローラ氏は、インド出身の47歳。通信業界のアナリストを経て、独Tモバイルの取締役や米グーグルでナンバー2に当たるCOOを務めた、超トップクラスの人材だ。5年ほど前から親交があり、孫社長が自ら口説き落とした。アローラ氏も孫社長を「ビジネスの革新者」と評する。