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ヒラリー・クリントンの独走に死角はないか 民主党に第二候補者グループ存在せず

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大本命の出馬表明で米大統領選が動き出した。だが、問題も浮上している。

2008年には民主党の指名争いでオバマ大統領に敗北。今度こそ念願はかなうのか(The New York Times/アフロ)

ヒラリー・クリントン前国務長官の4月12日の出馬表明で、米大統領選挙は新しい段階に入った。民主党と共和党の候補者は2016年1月から始まる予備選挙で、党の大統領候補指名を得るための選挙活動を展開することになる。候補者は、最初の予備選挙が行われるアイオワ州とニューハンプシャー州で勝利を収め、勢いをつけることを狙っている。

5月7日現在で公式に出馬表明しているのは、民主党ではクリントン候補と、バーニー・サンダース上院議員。ニューヨーク・タイムズ紙は、出馬の可能性がある候補者として、マーティン・オマリー前メリーランド州知事、ジム・ウェブ元上院議員、リンカーン・チェイフィー前ロードアイランド州知事の名前を挙げている。が、選挙分析で著名なバージニア大学のラリー・サバタ教授は、クリントン候補に次ぐ第二候補者グループは存在せず、同候補が独走しているとする。

その背景には、クリントン候補の全国的な知名度と実績に加え、世論調査でつねに2位以下を50ポイント以上リードする圧倒的な支持率の高さがある(図表1)。民主党内で本気でクリントン候補に挑戦すると言えば、一種の冗談と受け取られるような状況になっている。世論調査で2位を占め、金融規制強化やTPP(環太平洋経済連携協定)批判を展開し、党内左派グループの大きな支持を得ているエリザベス・ウォーレン上院議員は、支持者の強力な出馬要請にもかかわらず、出馬の可能性を繰り返し否定している。

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