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斉藤の後悔、清田の覚悟 日本取引所トップ交代

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道半ばに終わった日本の証券市場改革。後を託された次期CEOの手腕は。

株高で業績好調な日本取引所グループ。商品先物取引所との統合が次なる課題だ(撮影:尾形文繁)

15年ぶりの日経平均株価2万円台乗せを花道に、日本取引所グループの斉藤惇CEOは今年6月に退任する。後継には本命視されていた、清田瞭・東京証券取引所(東証)社長が就く。

東証は企業統治の方針やルールを示した、「コーポレートガバナンス・コード」を、6月から市場1部、2部、マザーズ、ジャスダックの上場企業に適用する予定だ。企業へのガバナンス浸透を「ライフワーク」と公言してきた斉藤氏にとって、区切りのタイミングともいえよう。

功績の一方で志半ば

斉藤氏は東証時代を含め8年間務めたトップの座を退く。期間中の日本株は急変動した(撮影:大澤 誠)

斉藤氏は野村証券を副社長で退社。その後、金融危機などの“後始末請負業”ともいえる産業再生機構の社長などを務め、2007年に東証の社長へと転じた。

そのはるか以前から、日本では証券不況が長期化していた。世界の主要取引所が、グローバルに行き交う投資マネーの獲得に向けて、上場商品の多様化や取引所間の合従連衡に突き進む中、東証は「周回遅れ」と酷評されながら地盤沈下していく。

時価総額、売買高などの面では、米ニューヨーク、英ロンドンの取引所に大きく水をあけられた。東証はいつの間にか、シンガポール、中国・上海といったアジアの新興勢にも、急追される立場に追い込まれていた。

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