わたなべ・せいじ●大手証券に23年間在籍、海外投資家向けの日本株セールスなどに携わる。2014年4月、投資教育など行う四季リサーチ設立。(撮影:尾形文繁)

約2000ページある『会社四季報』の読破を18年前から続けている。四季報のよさは1936年の創刊以来、継続的に上場銘柄を網羅している点にある。ここでは読破の経験で得た活用術を紹介するので、参考にしてもらいたい。

最新号の四季報(2015年2集)からキヤノンを例にして、誌面でチェックすべき項目を説明しよう。記述内容ごとに誌面を分解すると、下図のように12ブロックになる。このうち七つが特に重要となる。

まず見るのは(1)の社名・事業内容。【特色】にはキヤノンが「カメラ、事務機器の世界大手。一眼レフはシェア5割超」とある。このように世界首位、業界首位、独自技術を持つ、唯一の上場企業といった表現は優良株を探す手掛かりとなる。【連結事業】には直近本決算の部門別売上高構成比の数字がある。カッコ内の数字は部門別の売上高利益率(原則、営業利益ベース)だ。

四季報の巻頭のほうには毎号、業種別の売上高や利益の一覧表が掲載されている(業種別業績展望)。このデータを使って、キヤノンが分類されている電気機器の売上高営業利益率(営業利益÷売上高)を計算すると6%程度となる。一方、キヤノンの部門別利益率は、3部門のうち二つが14~15%。平均より利益率のいい部門があると判断できる。