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日銀ETF買いの賞味期限 クジラGPIF

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(左上)日本郵政の西室泰三社長はゆうちょ銀行の株投資枠拡大を発表。(右上)GPIFにはまだ10兆円近い買い余力。(下)日銀のETF買いの長期化は難しい(撮影:今井康一、尾形文繁)

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クジラが増えるなら買いだ──。日本郵政が、傘下のゆうちょ銀行の株式投資枠拡大を発表した4月1日夜、証券会社の営業担当者は顧客からの電話注文に追われた。クジラとは超大口投資家を意味し、日本銀行と年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)に続いて、ゆうちょ銀も大量の株買いに乗り出すことになる。翌2日の日経平均株価は277円高と急反発し、郵貯マネーへの期待感をうかがわせた。

物価上昇やGDP(国内総生産)拡大に成果を出せないアベノミクスだが、株価上昇には大成功。秘訣は需給への直接介入である。

投資の教科書には、株価は成長期待や配当利回り、資産価値などの総合評価で決まるとある。しかし、現実には株価を決定するのは需給であり、どんな株でも売りより買いが多ければ値上がりする。日銀などの巨額マネーの流入が続けば、株価が上がるのは当然ともいえる。

日銀ETF買いに2つの障壁

日銀は昨年10月末の追加金融緩和の一環として、ETF(上場投資信託)の購入額を年1兆円から3兆円に拡大した。今年は1~3月で21回の買い付けを実施し、7229億円分を購入した(図表1)。東京証券取引所1部の売買代金は1日当たり2兆円ほど。その7割前後が証券会社のディーリングや投資ファンドによる超短期売買であることを考えると、1回350億円規模の日銀の買いはインパクトが大きい。

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