3兆1280億円──。経営危機に陥ったりそなホールディングスに注入された公的資金の額だ。その膨大さに、「完済は無理」と見る金融関係者は少なくなかった。

しかし、それから12年、ついに完済にこぎ着ける。今年6月の株主総会承認後に完済する方針を、2月末に明らかにしたのだ。

「次の10年に向けた攻めの経営へマインドチェンジを図る」とりそなの東和浩社長は明言する。目標とするのは「リテール・ナンバー1」。国内の人口が減少する中、三菱UFJや三井住友、みずほの3メガ金融グループは、いずれも海外での貸し出しを伸ばすことで収益拡大を図っている。しかし、りそなは2003年の公的資金注入の過程で海外から撤退し、現在は海外支店を持っていない。

「将来的にメガバンクと同じような形で海外に出ていくことはまったく考えていない」(東社長)。あくまでもリテール、つまり国内の個人客や、中堅・中小企業を中心とする法人客へのサービスを充実することで生き残りを図るのが、公的資金完済後の戦略だ。そのリテール・ナンバー1戦略の柱が「サービス改革」。この戦略にはたして勝算はあるのだろうか。