今年3月に半年ぶりに再開した金融審議会総会。金融持ち株会社のあり方について議論がスタートした(撮影:尾形文繁)

「東海地区を本拠とするある信用金庫が普通銀行への転換をもくろんでいる。当局も全面的に後押ししているようだ」。昨年秋、金融界をこんなうわさが駆け巡った。

転換劇の主役と取りざたされたのはエリア最大の信金で、国内267を数える信金の中でも京都中央、城南(東京)に次いで3位の規模を誇る、岡崎信用金庫(愛知)だ。預金量約2.61兆円、貸出金約1.48兆円。その実力は地方銀行下位行を軽く凌駕する。信金の普銀転換が実現すれば、同10月に東京都民銀行と経営統合した八千代銀行が1991年4月に果たして以来の「壮挙」(金融筋)だ。しかもうわさにはまだ続きがあった。業態転換したうえで、今度は「域内地銀との再編に打って出る」というのである。

現在、愛知県を地盤とする地銀は名古屋、愛知、中京の3行だ。ただこのうち名古屋銀は預金量約2.95兆円で岡崎信金を上回る。第二地方銀行協会の会長行を務めるなど、第二地銀界の“盟主”としての矜持と独立心も強く、岡崎信金としても「わざわざ普銀転換してまでのみ込まれに行く筋合いはない」(事情通)。となると、再編相手は預金量2.60兆円と岡崎信金とほぼ同格の愛知銀か、同1.66兆円で下位の中京銀あたりだろうか。