新築の銀行本店ビルが立ち並ぶ、東京・大手町の金融街。金融に明日はあるのか(撮影:梅谷秀司)

仁義なき低レート合戦

「貸出金利のレート競争が行き過ぎている。将来に禍根を残すのではないか」。メガバンクの法人融資担当幹部はこぼす。

法人融資の現場では激烈な競争が起きている。メガバンクや地方銀行などは通常、TIBOR(東京銀行間取引金利)などの基準金利に、企業の信用力に応じてスプレッド(上乗せ金利。信用力の高い企業ほど低い)を加えて融資する。しかし、貸出先に困った地銀が東京に攻め込み、金利で勝負をかけてきている。結果、スプレッドが潰れ、メガバンクの提示する金利を地銀が下回るケースが頻発している。

別のメガバンクの中堅幹部は「景気がよくなって都内の地価が上昇、担保余力が増したせいで融資枠を広げやすくなっている。その枠にこれまで見たこともなかったような地銀や信用金庫が殺到している」と嘆く。皮肉なことに、景気が上向くことで金融機関同士の低レート合戦に拍車がかかっているのだ。

大手・中堅企業の場合、定期的に取引先の銀行を対象に借入金確保の入札を行うケースがある。従来は大手銀行の独壇場だった入札の場にも地銀が参入。「とんでもない低レートの入札」(メガバンク幹部)も発生し、メイン行、非メイン行入り乱れた「仁義なき戦い」が起きている。しかも、付加価値の伴わない1回きりの資金提供。いわば、銀行融資の社債化だ。