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安保政策転換に3つの疑問 集団的自衛権の法案審議へ

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3月25日、米軍制服組トップのデンプシー米統合参謀本部議長と会談する安倍首相(代表撮影:ロイター/アフロ)

安倍晋三首相が進めている集団的自衛権の行使容認は、関連法案の概要が固まり、大型連休明けにも閣議決定し、国会に提出される。これまで認められなかった自衛隊による海外での武力行使が、限定的とはいえ容認されることになる。日本の安全保障政策の大きな転換といえる。法案などをめぐる疑問点を三つに整理してみた。

1 どのような武力行使が可能か

今回の法整備は、昨年7月に閣議決定した武力行使の「新3要件」を受けて、自衛隊法など関連法を改正するものだ。自民、公明両党の協議で大筋合意し、具体的な法律作りが始まっている。

おさらいしておくと、新3要件とは、(1)密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由、および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある、(2)ほかに適当な手段がない、(3)必要最小限の行使となる、という内容だ。政府の説明によると、法改正によって、たとえば、朝鮮半島有事の際、韓国在住の日本人を乗せた米国の艦船が日本へ向かうときに他国から攻撃を受けた場合、(1)の条件を適用し、自衛隊は「日本への攻撃と見なして」反撃できるようになるという。

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