ベンチャー企業への資金の出し手、ベンチャーキャピタル(VC)の形態は主に三つある。金融機関系、独立系、そして事業会社系だ。最近まで事業会社系による投資は低水準だったが、最近の伸びは著しい(図表1)。中でも事業会社が本体と切り離して投資を行うケースが増えており、その主体となるのがコーポレート・ベンチャーキャピタル(以下、CVC)と呼ばれる存在だ。

[図表1]
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各社は具体的にどのような目的でCVC設立に動いているのか。ベンチャー投資事情を追った。

オムロン

多産多死のモデルで新しい集合体を生む

(撮影:梅谷秀司)

制御機器・FA(ファクトリーオートメーション)システムを主力とするオムロンが、CVCを設立したのは2014年7月。オムロンベンチャーズという名称の100%子会社で、資金もオムロンがすべて出す。16年までの3年間で合計30億円を投資する計画だ。

IT系が多いCVCの中で異色ともいえるメーカー発のベンチャー投資にオムロンが乗り出す目的は、「多産多死のビジネスモデルに取り組みたい」(オムロンベンチャーズの小澤尚志社長)と考えるからだ。あまり知られていないが、同社は売上高30億~200億円の複数の事業で構成される、いわゆるビジネスユニットの集合体。今後新しい30億円以上の事業を生み出すことが、成長のカギを握っている。