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医学部の知られざる「内実」 PART2「白い巨塔」の裏側
それでも御三家は強かった

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私大偏差値の底上げがあっても、国立大医学部上位の序列は色濃く残っている。

(イラスト:こまつめ組)

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医学部、大学病院には、れっきとした序列が存在する。志望者の急増で私立大学の偏差値は底上げされたが、上位校の序列構造には変化がないのが実情だ。東大、京大、阪大の御三家を中心とする学閥は、現状でも確実に存在する。

東大病院出身の40代医師は、「東大は特に学閥が強い。教授はもちろんのこと、ポストは基本的に東大出身者が優遇される」と明かす。

東大教授の自校出身比率は89.1%と断トツだ。准教授や講師を含めてみても、自校出身比率は8割弱とかなり高い。そのせいか、「他大学から東大の医局に行った友人は、東大卒が権威を振りかざしていると嘆いていた」(30代医師)といった声がある。

[図表1]
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東大学閥の威力は、広範囲に及ぶ。東大出身教授は、帝京大で6割、順天堂大と自治医大で2割。学閥が比較的強いとされる国立大においても、筑波大で2割、京大で1割の教授が東大から出ている。

次いで自校出身教授の比率が高いのが阪大だ。「医局の運営難ゆえ『他大学卒でもウエルカム』と言ってくれる医局が増える中、阪大の医局の一部は、今でも阪大卒を優遇している」(関西出身30代医師)。

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