深夜営業に派手な看板、手書きPOP広告。かつては住民反対運動や放火事件に見舞われるなど、ド派手な人生を送ってきたドンキホーテホールディングス創業者で会長の安田隆夫氏(65)が6月末にCEO(最高経営責任者)職を現社長に譲り、引退する。2015年6月期で26期連続の増収増益が見込まれ、年商6000億円超へと成長している中での決断だ。イオンやセブン&アイ・ホールディングスなど既存の流通企業を否定し続けてきた“異端児”が本誌の独占インタビューに応じた。

今、辞めなかったら、死ぬまで会長だった

やすだ・たかお●1949年生まれ。慶応義塾大学卒。78年、800万円を元手に20坪の雑貨店「泥棒市場」を開業。会長退任後は代表権のない創業会長兼最高顧問に就任予定。国内グループ企業の取締役もすべて退任する。(撮影:梅谷秀司)

──2月の決算説明会の席上での、突然の引退会見でした。

勇退は数年前から考えていた。本来は昨年実行するつもりだったが、消費増税があり、社内の体制を固めるために1年延ばした。

会社として今後、堅調な業績を残せるだけの基盤ができた。ようやくミッションを終える段階に来て、すがすがしい気持ちだ。

──ミッションとは……。

私が生んだドン・キホーテを、私が生物として終末を遂げた後も脈々と繁栄する会社にしていきたい。そのために私のミッションは何かといつも問いかけてきた。CEOは誰からも命令されない。自らが自らに問いかけるしかない。ある時期から、私が勇退しないとそれは成し遂げられないという結論に達していた。