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現地直撃 開発の最前線で見た米国軍事ロボットの未来 PART1 技術が変える21世紀の戦争

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冷戦終了後、「世界の警察」を自認してきた米国。だが9・11同時多発テロ以降、イラクやアフガニスタンでは多くの戦死者を出し、従来の戦略・戦術の転換を迫られることになった。そこで期待を寄せるのが技術革新、とりわけロボットや無人航空機(ドローン)の活用だ。世界一の国防予算を背景に、ロボット研究の精鋭たちが日々開発にいそしむ。最先端を行くロボット開発のダイナミズムを現地で追った。

極小昆虫型ロボット

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(右上)肉眼では細かいチリにしか見えない。(下)ミクロ・ナノ技術を応用して製造される(U.S.Air Force)

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虫に学ぶ米陸軍 偵察を“ハエ型”が担う

首都ワシントンDCの郊外にある研究施設の地下室。顕微鏡を通して小さなディスプレーに映し出されていたのは、虫の羽のようなものだった。隣に置かれた10セントコインが巨大に見える。肉眼では細かいチリにしか見えない。

ここは米陸軍研究所(ARL)の本部。未来の軍事技術を見据え、多岐にわたる基礎研究が行われている。「虫の羽のようなもの」は、今まさに研究が進む、極小昆虫型ロボットの一部分だ。

戦場での重要な任務の一つに「偵察」がある。市街地や特定の建物の中を調べるには、小さなドローンが必要だ。ARLはかねてから複数の大学と、手のひらサイズで2キログラム前後のマルチコプターの開発に取り組んできた。兵士が指定した場所を半自動で見て回り、より明確な状況認識を可能にするのが目的だ。

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