作家 高山文彦氏に聞く 『宿命の子 笹川一族の神話』を書いた

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圧倒的な差別の中を生きた早世のハンセン病作家や部落解放の父など、社会的弱者を描いてきた作家が次に選んだのは、世界最大級の資金力を誇る財団トップだった。

宿命の子~笹川一族の神話~
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──日本財団の笹川陽平会長と最初に会った目的は、やはりハンセン病制圧活動に関してですか?

そうですね。世界中、アフリカの奥地まで足を運んで活動しておられることは知ってました。そこまで旅を続けるっていうのはそうそうできることじゃない。何かを自分に課して活動してる印象がありました。その情熱とはどういうものなのかと。

──妾(めかけ)の三男に生まれ認知もされず生活は貧窮。ようやく父・笹川良一と同居しても、徹底して下男扱い。小説を地で行く少年時代ですね。

陽平さんは「私なんかちっとも面白くないよ。女の話一つなし、バクチの仕事はしてるけど自分は全然しないし株券1枚持ってない。面白いとすれば、まあ妾の子だってことくらい」と。そこで、包み隠さず話してください、と言ったわけ。彼はそれに正面から応えたんですよ。

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