「開成は生徒に自由にさせている。それは昔から変わっていないよ」。ペンと剣の校章がある東京・西日暮里の校舎の前で(撮影:風間仁一郎)

澄み切った青空の下、荒川の河川敷を開成中学・高校の生徒たちが走っていく。昨年秋、全校生徒2100人が参加して恒例のマラソン大会が開かれた。

どの一人を取っても勉強では日本のトップクラスだが、運動はそうとは限らない。息を弾ませる生徒に、「頑張れ!」と、身を乗り出すようにして校長の柳沢幸雄(やなぎさわ・ゆきお)が声援を送っている。

よく通る声、ライオンを思わせる風貌は広い河川敷でもひときわ目立つ。表彰式ではこうあいさつした。

「今日は苦手な人も時間内に走り切った。得意なところはどんどん伸ばせばいい。不得意なところも、あるレベルまでは頑張っていこう」 開成高校は33年連続で東大合格者数で全国1位。日本でいちばん勉強のできる高校生が集まる場所だ。とはいえ勉強ばかりではない。文化祭は生徒が自ら積極的に運営し、運動会では激しい棒倒しが名物。スポーツの部活動も盛んだ。

「学校内の教室や部室など、ここに行けばお山の大将、という自分の居場所を見つけられるようになっている」と柳沢は言う。