新薬の超大型化が期待される、小野と塩野義の研究開発拠点

創薬は壮大なるばくちだ。候補化合物から数万分の一の確率で発売に至った新薬の中で、大化けするのはさらにわずか。その希少な“当たりくじ”を、関西の中堅製薬、小野薬品工業と塩野義製薬が引き当てた。

小野が開発したのはがん、塩野義はエイズの治療薬だ。いずれも発売されたばかりだが、そのポテンシャルに株式市場の資金が殺到している。

今2015年3月期は後発薬の侵食により、小野は営業益43%減の151億円、塩野義も20%減の495億円見通しと、足元の業績は振るわない。だが、両社の株価は、日経平均を大きく上回って急騰している(図表1)。

[図表1]
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将来への期待を反映するPER(株価収益率)は、塩野義が36倍、小野に至っては100倍と驚異的な高さだ。両社の時価総額は1兆円を突破。小野は、国内製薬3位、今期営業利益見通しで6.6倍の差がある、第一三共の時価総額も上回っている。

市場規模は3兆円とも

小野が米ブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)と共同開発したがん治療薬の「オプジーボ」は、本来人間が持っている免疫反応が抑制されるのを防ぐ作用を備える(図表2)。「がんの免疫療法で初めて顕著な有効性が示された画期的な薬だ」。国立がん研究センター東病院乳腺・腫瘍(しゅよう)内科の向井博文医長はこう評価する。