2015年も、日本の株式市場ではROE(自己資本利益率)がキーワードになるだろう。

昨年はROEを銘柄選定基準の一部とするJPX日経インデックス400の算出が開始され、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)と日本銀行がこれを投資対象に含めた。また、昨年2月に策定された日本版スチュワードシップ・コードや、今年6月に策定予定のコーポレートガバナンス・コードの後押しもあり、ROEの目標値を公表する企業も増えている。

コーポレートガバナンス・コードの最終原案では「上場会社は(中略)資本政策の基本的な方針について説明を行うべき」とされている。これを企業がどう解釈するかがポイントであるが、機関投資家の圧力を背後に感じつつ、世界共通言語としてのROEについて目標値を公表する企業が増え、場合によっては同業他社と目標値の引き上げ競争が生じる可能性もある。

欧米の企業に比べ、日本企業のROEは低い。例えば、過去10年平均でTOPIX(東証株価指数)構成企業のROEは約6%。これに対し、米S&P500指数や英FTSE100指数は約15%、独DAX指数は約12%である。

筆者は、日本企業のROEは早期に2倍以上に引き上げることが可能と考えている。その是非は別として、ROEが2倍になれば、日本株が再評価される契機にはなろう。

「法人企業統計調査」のデータから、日本企業のROEを長期で見ると、1990年ごろを境に構造的変化が生じたようである。50年代後半から90年ごろまでは、変動の幅は大きいものの20%を中心とする動きに見える。これに対し、90年以降は10%を挟む動きに見える(図表1)。これは分子(利益)の減少によるものなのか、それとも分母(自己資本)の増加によるものなのか。