経団連が開いた国際会議。佐々木副会長(右)のほか、OECDからは局長級が参加(撮影:尾形文繁)

「課税金額が1ケタ、2ケタ違う」。国際税務に詳しい税理士はそう驚く。

2~3年前から、中国が外国企業への課税を強化している。焦点は移転価格税制。企業がグループ内の海外取引価格を操作し、国の間で利益を付け替えて税負担を軽くしようとする行為を防ぐための制度だ。

製品の開発費や技術指導料などを考えても、グローバルでの中国の販売シェアからすれば、外国企業はもっと中国子会社に利益を分配していい。これが中国当局の理屈だ。

特に課税に熱心なのが、上海近郊を中心とした沿岸部の地方政府。日系を含めた海外の製造業が現地当局から追徴課税を受けている。「これまで課税金額はせいぜい数千万~数億円だったが、今では想像をはるかに超えるケースもある」(同)。

インドネシアやマレーシア、ベトナムといったアジア諸国も課税強化に乗り出している。今後成長が見込まれるアジア諸国の税務当局の意向はむげにできない。企業では無用な摩擦を避けるため、新興国への利益配分を増やす動きが広がっている。

各国税務当局による課税権の奪い合い

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