「ゾウサ」「ギョウニン」「ホンテン」……。国税庁職員(国税職員)の間では、納税者(国民)にはわかりにくい数々の隠語が使われる。こうした隠語がたくさんあるのは、犯人のことを「ホシ」、事件のことを「ヤマ」と呼ぶ警察とよく似ている。

企業や個人の経済活動に重大な影響を与える国税庁は、警察と同じように強制力を伴う強大な権限を持つ。数々の隠語があるのは、自らの職業がほかとは違うという感覚を持っているからだろう。職人の世界と同じように税務調査の世界では職人的な技が尊重されていることも、隠語の多さにつながっている。

ちなみに「ゾウサ(増差)」とは、申告した所得と、税務署が把握した所得との差のこと。申告額を多く認定できた増収部分のことだ。「ギョウニン」は徴収部門のことで、「徴」の部首が「行人べん」であることからそう呼ぶ。「ホンテン」は税務署を管轄する国税局。これは警察署員が本部(警視庁や県警本部)をホンテンと呼ぶのと同じだ。

マルサに並ぶ「料調」 納税者を追い詰める