疑問点があればすぐに社員を呼んで話を聞く。社長室の執務席で(撮影:尾形文繁)

ビジネス書が強い出版社といえば、日本経済新聞出版社や日経BP社、ダイヤモンド社、そして東洋経済新報社あたりだろうか。ところが近年、この分野で足場を固め、着実に読者の支持を増やしている出版社がある。干場弓子(ほしば・ゆみこ)社長率いるディスカヴァー・トゥエンティワンである。社員50人ほどの中堅出版社だ。

直近では三谷宏治著『ビジネスモデル全史』と『経営戦略全史』が、『ハーバード・ビジネス・レビュー』(日本版)の読者が選ぶベスト経営書ランキングで2013年、14年と続けて1位を獲得し老舗の編集者たちをうならせた。

出版不況といわれる中で、ディスカヴァーは、「今までなかった」と読者に言わしめる個性的な切り口の書籍を世に送り出し、異彩を放っている。もしかすると50代以上の読者には認知度が低いかもしれない。

しかし経済評論家の勝間和代を発掘してカツマーと呼ばれるファンを生み出し、『超訳 ニーチェの言葉』シリーズでは累計134万部の大ヒットを飛ばした出版社であると聞けば、「ああ、あの」と心当たりのある人も多いだろう。

干場は愛知県立旭丘高校を卒業後、お茶の水女子大学に進学。『家庭画報』などの雑誌編集を経て、1985年にディスカヴァーを、コンサルタントをしていた伊藤守(現コーチ・エィ会長)とともに設立した。