日本海洋掘削は巨大な掘削設備(右上写真)を所有し、海洋の油・ガス田掘削工事を請け負っている

「掘削コントラクター市場は基本的に成長市場だが、(昨今の原油相場下落で)この1~2年は当社も辛抱が必要だと考えている」。今年1月、日本海洋掘削の市川祐一郎社長は役員・従業員に向けた年頭あいさつの中で、足元の経営環境について厳しい認識を示した。

同社は国内勢では唯一の海洋掘削コントラクター(掘削工事会社)。海底掘削用の巨大なリグ設備を所有し、原油・天然ガス田の試掘(埋蔵確認のための掘削)や生産井掘削を手掛ける。国内外の石油開発会社から依頼を受け、主に東南アジアや中東の沖合で操業。近年は原油高で石油会社の新規鉱区開発が相次ぎ、同社も好業績を謳歌してきた。

足元の原油相場急落は、海洋掘削業界にとって強い向かい風だ。海での油・ガス田開発は陸上よりもコストが高いため、原油暴落時には、まず先に海洋での探鉱や開発が計画見直しの対象になりやすい。掘削の対価として得られる作業日当の相場が下落し始めるなど、すでに影響は海洋掘削業界に及び始めている。

日本海洋掘削が自社で保有するリグは浅瀬・中水深用の合計6基。足元はほぼフル稼働の状態だが、懸念されるのは今後の受注。リグ市況の悪化により、新たな契約は作業日当単価が下がる可能性が高く、業績にも影響が出そうだ。