イクシスLNGの16年生産開始に向け、現地では巨大液化施設などの建設がヤマ場

原油価格の暴落は、日本のエネルギー産業にも暗い影を落とす。中でも業績への影響が大きいのは、原油や天然ガスの開発・生産事業を手掛ける上流企業だ。国際石油開発帝石(INPEX)、三井石油開発、石油資源開発といった専業をはじめ、総合商社や石油元売りのエネルギー開発部門が該当する。

開発・生産といっても、日本企業の場合、産油国の国営石油会社や欧米の民間石油メジャーがオペレーター(仕切り役)として主導するプロジェクトへの出資が基本。それでも、権益生産量(出資比率見合いの持ち分生産量)に応じて収益が得られるため、2000年代前半から続いた原油高局面で各社は業績面で大きな恩恵を受けてきた。

国内勢の上流最大手はINPEX。権益を持つ78鉱区のうちインドネシアや中東などの34鉱区が生産中で、権益生産量はネットベース(契約内容を反映した狭義の権益生産量)でも日量40万バレル超と国内企業では群を抜く。こうした権益規模を背景に、過去数年は毎期2000億円近い連結純利益を稼いできた(図表1)。

[図表1]
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しかし、前期の平均油価が1バレル=100ドル台だったのに対して、足元の相場は50ドルを割り込む水準にまで下落している。同社の場合、原油相場が年平均で1バレル当たり1ドル下がると、連結純益は25億円減る構造。仮に今の原油相場が1年間続けば、1300億円規模の減益要因となり、純益の大半が吹き飛ぶ。

さらに懸念されるのが、社運を懸けて進める「イクシスLNGプロジェクト」への影響だ。イクシスLNGは、西豪州沖合で天然ガスを生産し、それを豪大陸で海上輸送用のLNG(液化天然ガス)にして日本の需要家に供給するプロジェクト。12年に投資を正式決定し、16年の生産開始に向け、関連設備の生産・建設作業が大詰めを迎えている。