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原油安・制裁・通貨安 三重苦にあえぐロシア [現地ルポ2] 脱欧米・親アジアが加速へ

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経済悪化で苦境に立たされたプーチン大統領(RIA Novosti/ 時事)

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「ルーブルが非常に不安定だ。一刻も早く情勢が落ち着いてほしい」「今年の見通しが本当に立てられない」──。

これは、ロシアに進出している日系企業から最近よく聞く悲鳴である。ロシアは、原油価格の大幅下落と未曾有のルーブル暴落に見舞われた。ウクライナ問題で対立する欧米の経済制裁の継続・強化もあり、“三重苦”の厳しい状況に陥っている。

中でも原油価格は、ロシア経済にとって非常に重要だ。なにしろ原油、天然ガス関連の収入がGDP(国内総生産)の約1割、国の歳入の約5割を占めており、価格動向はGDP、為替レート、株価、外貨準備、財政収支、さらには国家信用格付け、資金調達利率などに至るまで大きな影響をもたらす。

経済発展省のアレクセイ・ベデフ次官は昨年12月、原油価格の下落を受け、経済予測の下方修正を発表。10月に2015年の原油価格を1バレル=100ドルとしていたのを80ドルに見直し、同年のGDP成長率をプラス1.2%からマイナス0.8%に下方修正した(図表1)。GDP成長率がマイナスとなった場合、リーマンショックの影響が生じた09年以来、6年ぶりとなる。

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