「社内では部長クラスより上の経営職でも知らされていなかった。最初はうそだと思った」。シャープのある社員はそうため息をつく。

2期ぶりの最終赤字転落か──。シャープは1月19日、今2015年3月期業績が計画を下回る見通しだと発表した。

もともと営業利益1000億円 (前期比8%減)の計画だったが、減益幅は膨らむ見通し。最終損益は300億円の黒字計画から、数百億円規模の赤字への転落が見込まれる。正式な数値は2月3日に公表される。

仕事始めの1月5日、高橋興三社長はテレビ中継による全社員向け方針発表会の中で自社を取り巻く環境の悪化に触れていた。「円安の影響で事業環境が厳しいとの話は、社長の方針発表会で聞いていた。だが少なくとも赤字に陥るなどという話はなかった」(前出の社員)。

業績の下方修正は株式市場にとってもサプライズだった。業績下振れが明らかになった後、株価は急落。1月22日には一時219円と、経営危機さなかの12年12月並みの安値水準まで値を下げた。

競合とパイ奪い合い 危機は終わっていない

11~12年度の2年間で、シャープは計9000億円もの最終赤字を計上。銀行からの借り入れの返済が危ぶまれるなど、存亡の淵に立たされた。3000人規模の人員削減、液晶パネル堺工場の非連結化などで、何とか経営破綻の危機を免れた。

13年5月には中期経営計画を発表。15年度の売上高3兆円、営業利益1500億円の目標を、銀行による支援継続の“必達条件”とし、再建への道のりを歩みだした。

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