原油価格が半年で1バレル当たり100ドルから50ドルを割る急落ぶり。物価にも大きく影響しつつある。

2014年4月に実施された5%から8%への消費税率の引き上げ効果で、消費者物価上昇率は3月の1.6%から4月は3.4%にハネ上がり、5月は3.7%となったが、その後はエネルギー価格の上昇幅の縮小を主因にジリジリ下がっている(図表1)。

[図表1]
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14年11月の消費者物価上昇率は前年同月比2.4%、生鮮食品を除くコアCPI上昇率は2.7%で、それぞれ前月比0.4ポイント、0.2ポイント低下。電気代は値上がりしたもののガソリンや灯油など石油製品の値下がりで上昇幅が縮小した。生鮮食品を除く食品や家庭用耐久財、教養娯楽用耐久財の上昇幅も縮まった。

今後の物価動向についてはどうか。原油価格の急落と円安との綱引きとなる。ニッセイ基礎研究所のマクロモデルにより、円安10%に対して原油安20%が進んだ場合の消費者物価への影響をシミュレーションすると、2四半期までは原油安の影響のほうが大きく、物価が下落し、3四半期目でプラスマイナスがほぼ一致、4四半期目には物価を押し上げる方向に働く、という。

同研究所の斎藤太郎経済調査室長は「同じ率の円安と原油安であれば、円安が物価を押し上げる影響のほうが大きいが、今回は原油価格のほうが下落の度合いが激しいので、その物価押し下げ圧力のほうが、しばらくは大きい。ガソリン、灯油は12月時点ですでに前年比マイナスであり、消費増税の影響が一巡する15年4月以降は前年比2ケタ減になる」と見る。