有料会員限定

国際安全保障 プーチン外交が揺るがす

✎ 1〜 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 最新
拡大
縮小

2014年夏にロシアがクリミアに侵攻して以降、欧米諸国は、経済制裁と国際的孤立をもたらすことによりロシアにウクライナ東部の反抗勢力への支援をやめさせる戦略に頼ってきた。しかし、ここ最近のプーチン大統領による外交上の連勝は、同戦略が功を奏していないことを示している。

プーチン大統領は、欧米諸国が安全保障で大いに懸念する国々、特にイラン、北朝鮮、パキスタンとの間で大胆な施策を進め、最重要パートナーである中国に対しても、立場を優勢にしている。

ロシアはイランと合弁銀行を設立し、欧米諸国による経済制裁を気にせずに2国間貿易を拡大できる仕組みを築いた。ロシアは自国物資と引き換えに、イランから毎日50万バレル相当の石油を仕入れることが可能となる。

ロシア海軍がイランのカスピ海小艦隊と合同軍事演習を3日間行うなど、安全保障に関する協力関係も進展している。これまでロシアとイランの結び付きを弱める試みは何度も失敗してきた。ロシアの国連大使を務めるヴィタリー・チュルキン氏は14年10月、イランとシリアを「当地域におけるテロリズムに対抗するうえで必然的な同盟国」と表現し、「イスラム国」に対する米国主導の戦略にこの2国を含めなかったことを非難した。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内