この年末年始、東京・銀座などの繁華街には外国人観光客があふれた。特に注目されたのが、中国人の派手な買い物ぶりだ。昨年1~11月に日本を訪れた中国人は222万人で、前年より8割増えた。今年は期限内なら何度でも来日できる数次査証の発行条件が緩和されることもあり、さらに増加する見通しだ。ほかのアジア諸国からも、円安を追い風に集客は順調だ。

テレビでは、アニメを中心とした日本のサブカルチャーや和食が世界で大人気だという報道を頻繁に目にする。書店に行けば、『日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか』(竹田恒泰著、PHP新書)、『住んでみたヨーロッパ 9勝1敗で日本の勝ち』(川口マーン惠美著、講談社+α新書)のような、外国と比べて日本の美点を強調する本が売れている。アマゾンなどを見ると、その購入者はいわゆる嫌韓・嫌中本とかなりオーバーラップしているようだが、それはさておこう。

この分では、世界で日本の好感度はうなぎ上り。2020年の東京五輪も最高のビジネスチャンスになる──ような気がしてくる。

だが、国際的に行われている世論調査などを見ると、必ずしもそうは言っていられない。英BBCが毎年行っている世論調査で、日本は12年に「世界にポジティブな影響を与えている」度合いが1位だった。だが、その後は順位を4位、5位と落としている(以下、図表1参照)。

経済大国としての地位が揺らいでいる日本だが、「世界から尊敬されている」との見方も。その議論にデータの裏づけはあるのか。
[図表1]
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内訳を見ると、領土や歴史問題をめぐって日本と対立する中国、韓国で「ネガティブ」の比率が上昇した。両国と連動して、ドイツでも同様の動きが見られる。

また、日本の住み心地が「欧州に9勝1敗」というほどいいのかにも疑問がある。確かに日本の大都市は住環境への評価が高く、英国の国際情報誌『モノクル』のランキングではトップ10に東京、京都、福岡の3都市が入った。

一方で、グローバル企業の駐在員を対象に英金融機関のHSBCが行ったアンケートでは、任地としての日本の満足度は18位。スイスやドイツのような欧州の国のみならず、中国にも負けている。やはり経済的な活力やビジネスの環境という点で日本は物足りないようだ。