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三宅体制の5年と復活への仕掛け 新体制は「独り負け」を克服できるか

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5年にわたり、キリンホールディングス(HD)の舵を取ってきたのが現社長の三宅占二である。5年前、HD社長就任が発表されたのは、実はサントリーとの経営統合が破談になったわずか2日後、2010年2月のことだった。社長退任を決めた今回以上の電撃人事の主役が三宅だった。

三宅体制のこの5年間、キリンはいったい何を得て、何を失ったのか。それをつぶさに見ていくことで、新人事の裏側とキリンが直面する課題がはっきりとするはずだ。

三宅占二 キリンホールディングス社長

みやけ・せんじ●1948年生まれ。70年にキリンビール入社。同社社長を経て2010年から現職。3月会長就任。(撮影:梅谷秀司)

特集「キリン 電撃トップ人事の舞台裏」の他の記事を読む

キリンといえば、1980年代前半までビールシェアが60%を超える業界のガリバー企業であった。今となっては皮肉な話だが、独占禁止法によって会社分割される危険性をつねに抱えていた。HDの次期社長で現在は傘下のキリンビール社長を務める磯崎功典は当時の状況をこう振り返る。

「ビールを売れば売るほど会社分割の可能性が高くなる。だから、殿様商売というよりは、モチベーションに影響した。ビール以外の多角化を進めたのも会社分割が理由。結局、そういう時代が長く続き、守りに回ることが多くなった」

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