「誰も責任を取っていないし、リコール(回収・修理)から学習するという決意がはたしてあるのかどうか」

昨年9月、米議会下院エネルギー・商業委員会が45ページから成る報告書を発表した。調査対象は、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)だ。

参考にした監督事例は、昨年春から相次いだ米ゼネラル・モーターズ(GM)の大規模リコール。点火スイッチなどさまざまな不備を見落としたNHTSAの組織的欠陥を列挙した。報告書はこう結論づける。「NHTSAは欠陥の可能性を察知するだけの十分な情報を持っていた。が、部品と事故の因果関係や類似事件の発見に失敗した」。監督局として具備するべき「基礎動作力」に疑義を突き付けたのだ。

前後して米消費者保護団体センター・フォー・オート・セーフティを設立したことで知られる、市民活動家のラルフ・ネーダー氏が、米大手紙にNHTSA批判文を寄稿した。同氏はNHTSA設立を米議会に働きかけた「生みの親」でもあるのだが、「NHTSAは受身的で(自動車業界に)取り込まれた」と辛辣だった。