これだけ原油価格が下がっているのに、関西電力が値上げ申請した。耳を疑う話である。同社は2013年5月にも電力料金を値上げしており、再値上げになる。

調べてみると、なるほど事態は深刻だ。関電は前期まで4期連続で赤字を計上しており、今期も最終赤字になれば、繰延税金資産(5000億円)を取り崩さなければならない。自己資本は極端に薄くなってしまう。

対処法は三つある。国有化か、原子力発電所の再稼働か、値上げか。東京電力は国有化され、北海道電力、九州電力は日本政策投資銀行から500億円、1000億円の優先株の出資を受け入れた。

関電にすれば、何としても民営の経営形態を守りたい。原発再稼働に反対の国民感情が強いのなら、その代わりに再値上げを認めてもらいたい、ということなのだろう。

「空からのテロ」の脅威

一基でも原発を再稼働させたら最後、「原発ゼロ」の日は永遠に来ないと、再稼働絶対反対の国民もいるだろう。

しかし、多くの国民は電力料金の大幅値上げを回避するには当座、原発再稼働は仕方がない、けれども、いずれ原発はゼロにしてほしい、と考えているのではないか。

実際、原発ゼロは夢ではない。運転期間40年で廃炉にする「40年基準」を徹底させれば、原発は着実に減っていく。大切なのは、まず電力会社が廃炉基準を厳守し、「ゼロ」への道筋をきちんと国民に示していくことだ。

そのうえで大問題がある。原発を再稼働させても、昔のような効率性は絶対に戻ってこないということだ。再稼働は一部の原発にとどまるだろうから、火力発電への依存度は高いまま。つまりコストはそれほど下がらないのである。

論より証拠。高浜原発の再稼働を認める「内定」が出ても、当の関電は値上げ提案を引っ込めないではないか。