肥後銀行と鹿児島銀行という県内トップ地銀同士が手を組む。2014年10月に発表された、従来の常識を覆す経営統合は業界に衝撃を与えた。再編に動いた狙いを甲斐隆博頭取に聞いた。

かい・たかひろ●1951年生まれ。75年に肥後銀行に入行。2000年ごろの福岡支店長時代に、鹿児島銀行の上村基宏氏(現頭取)と知り合う。09年6月から現職。

──なぜこのタイミングで統合に合意したのか。

頭取に就任したときから、パイ(市場規模)を大きくする必要があると思っていた。熊本県の人口は10年から40年にかけて2割減る。50年には県内の6割以上の地域で人口が半分以下になる。その地域に当行は約30拠点を構える。そうした中でも、金融機能を維持することが重要だ。生産年齢人口は10年から20年にかけての減少が大きい。20年の段階で必要な構図がある。それを実現するために逆算し、今回の合意となった。

──では、鹿児島銀行以外との統合も選択肢に?

ほかに話をしたことはない。こういう話はかなりきちんとした信頼関係がないと誤解を生む。

──鹿児島銀行の上村基宏頭取は、「肥後銀行との将来の競合を避けるためにも統合を決断した」と話していたが。

攻め合う構図になるとは従来から考えていない。ただ、それぞれが稠密なネットワークを形成しているところでは金利競争になり、お互いに首を絞めることになる。

──今後はどういったエリアを強化していくのか。

人口対比で店舗数が少ない“粗い”マーケットのほうが展開しやすい。たとえば福岡。東京も粗い。支店を増やすことは考えていないが、人員は増やす。特に東京。これまで個人向け金融サービスをほとんどやってこなかったが、東京在住の熊本県出身者に向け今後、サービスを強化する。

──具体的な方策は?