時間効率化から時間快適化へ。企業も個人も「創造時間価値」を追求する時代が来たという。

時間資本主義の到来: あなたの時間価値はどこまで高められるか?
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──時間が資本になるわけですね。

時間は買うものから売るものになり、誰もがわずかな時間を切り売りして活用する時代がやってきた。その影響は消費行動、個人の働き方、企業のあり方にまで及ぶ。

時間を経営資源であり資本だとすると、余分なことに使わず、いかに創造的で豊かな価値のあることに使うのかが大事になる。事業に例えて言えば、民間テレビ放送の番組配分はまさにそう。毎日の放送枠は決まっていて、その24時間の枠をいかに高く広告代理店に売ってもらい、つまらない番組をいかに短縮するかで収益を極大化する。人間もまさに1日24時間、一生を80歳として、その時間枠でどのようなサービスや商品を買い、あるいは売るか。そういう収益極大化モデルに似ている。

──わずかな時間を切り売りする?

すき間時間の切り売りで稼ぐ時代がやってきた

情報通信技術の進化で、これまでは捨てられていた5分、10分の移動時間や待ち時間という、すき間のような時間の価値が高まっている。実際、私自身移動中にいくつかの決済をスマートフォンで済ませている。すき間時間を有効に使える時間貸しスペースや「時短」をコンセプトにした商品やサービスの開発、空間づくりは、すでにビジネスにつながっている。

パソコンがない時代からある時代への変化は、まだ固定空間に閉じ込められており、情報量が増えたにすぎなかった。それが現在のスマホのあるモバイル時代への移行によって、誰もが公私混同可能な拡張現実を享受できるようになった。空間制約に縛られないという大きな変化だ。それだけ空間とセットですき間時間を考えていく必要がある。

その際、企業のマーケティングとしてこの変化をどう取り込んでいくのか。従来は生産者と消費者、それに資本家があたかも対立概念のように別々に語られてきた。今は資本市場が発達することでほぼ全員が資本家になりうるし、またほぼ全員が生産者つまり情報発信者になりえ、同時に消費者でももちろんある。まさに三位一体の状態になっている。

──時間価値を加味しないと値付けもできないとも。